リースバック会社の比較ポイント10選|おすすめの選び方を解説

リースバックを提供する会社は年々増えており、「どこに頼めばいいのかわからない」と迷う方がほとんどです。しかも厄介なことに、同じ家でも会社によって売却価格も家賃も大きく変わります

比較サイトを見ても「おすすめ◯社」という記事ばかりで、その多くは運営元が自社に誘導する構成になっています。読者が本当に知りたいのは、どの会社が良いかではなく「何を基準に比べればいいのか」という物差しではないでしょうか。

各社のサイトを見ても、どこも良いことしか書いていなくて判断がつきません…

この記事では、リースバック会社を選ぶ際の比較ポイント10項目を軸に、業者の4つのタイプ別の特徴、目的別のおすすめの選び方、相見積もりの取り方まで解説します。特定の会社をすすめるのではなく、ご自身で判断できる物差しをお渡しするのが本記事の目的です。

そもそもリースバックの仕組みやメリット・デメリットから確認したい方は、リースバックとは?仕組み・メリットデメリット・注意点を先にご覧ください。全体像をつかんでから比較に入ると、各社の提案の意味が読み取りやすくなります。

目次

リースバック会社選びで失敗しないための前提知識

比較の話に入る前に、押さえておきたい前提が3つあります。ここを知らないまま会社を選ぶと、比較そのものが的外れになりかねません。

会社によって売却価格も家賃も大きく違う

リースバックの家賃は「売却価格×期待利回り÷12カ月」で決まりますが、この期待利回りの設定は会社ごとに異なります。年6%の会社と13%の会社では、同じ2,000万円の売却でも月額家賃が10万円と21.7万円という倍以上の開きに。査定を1社しか取らなければ、この差にすら気づけません。

家賃の計算方法はリースバックの家賃相場を解説した記事で詳しく扱っています。数字の根拠を理解しておくと、比較の精度が上がりますよ。

「大手だから安心」とは限らない

知名度の高さと契約条件の良さは別物です。大手には資金力と安定性という強みがある一方、審査基準が画一的で対応物件が限られることも。逆に中小の専門会社が、柔軟な条件を出してくれるケースもあります。会社の規模ではなく、提示された条件そのものを見比べてください。

必ず3社以上を比較すべき理由

リースバックは取引事例が公開されておらず、相場観をつかみにくい市場です。3社から見積もりを取れば、価格帯と条件の幅が見えてきます。同時に「他社にも相談している」という事実そのものが、条件を引き出す交渉材料にもなるんです。手間はかかりますが、この工程を省略した方ほど後悔しています。

リースバック会社の4つのタイプと特徴

リースバックを扱う会社は、大きく4つのタイプに分けられます。得意分野が異なるので、自分の状況に近いタイプから当たると効率的です。

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タイプ強み留意点向いている人
大手不動産・住宅メーカー系資金力と安定性、実績の多さ審査基準が画一的になりやすい安心感を最優先したい
リースバック専門会社条件の柔軟性、スピード会社ごとの差が大きい個別事情に配慮してほしい
金融・信販系資金調達力、高齢者向け対応物件条件の制約がある場合も年金生活で審査が不安
地域密着型地域相場に強い、対面対応対応エリアが限られる地元で相談したい

大手不動産・住宅メーカー系

上場企業やそのグループ会社が手がけるサービスです。財務基盤が安定しており、契約期間中に会社が倒産するリスクは小さいといえます。一方で、買取基準が定型化されているため、築古物件や特殊な条件の家は対象外になることも。

リースバック専門会社

リースバックを主力事業とする会社です。ノウハウが蓄積されており、契約期間や家賃の設定で柔軟に応じてくれるケースが多く見られます。ただし会社ごとの実力差が大きい分野でもあるため、宅地建物取引業の免許番号と実績の確認は欠かせません。

金融・信販系

クレジット会社や信販会社が展開するサービスで、高齢者世帯への対応に慣れているのが特徴です。年金収入のみでも相談しやすく、資金調達力の高さも安心材料になります。物件の所在地や種別に条件が付くことがあるので、初回の問い合わせ時に確認しておきましょう。

地域密着型

特定エリアに根ざした不動産会社が提供するタイプ。地域の相場観に精通しているため、大手が評価しきれない立地の良さを価格に反映してくれることがあります。対面での相談がしやすく、契約後も同じ担当者が対応してくれる安心感も魅力です。

タイプの違う会社を1社ずつ、計3社に相談すると条件の幅が見えやすくなりますよ。

どのタイプに相談する場合でも、物件と支払い能力についての審査は避けて通れません。何が見られるのかを先に知っておくと、通りやすい条件を自分から組み立てられます。

リースバック会社を比較すべき10のポイント

ここが本記事の中核です。見積もりを受け取ったら、次の10項目で横並びに比べてください。金額だけを見て決めると、後から条件面で泣くことになります。

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比較ポイント確認する内容
1. 売却価格市場相場の何割か、3社の提示額に差はないか
2. 家賃月額と周辺相場との差、居住予定年数での総額
3. 賃貸借契約の種類普通借家か定期借家か、契約書の記載を確認
4. 契約期間と更新条件何年契約か、再契約は保証されているか
5. 家賃改定の条項値上げの条件と上限が定められているか
6. 買い戻し条件価格の算定方法・期限・手続きが書面にあるか
7. 修繕費の負担区分設備故障時に貸主と借主のどちらが負担するか
8. 初期費用と継続費用敷金・礼金・更新料・事務手数料の有無
9. 対応エリアと物件種別戸建て・マンション・築古物件への対応可否
10. リノベーション対応住まいの改修まで自社で対応できるか

特に見落としやすい3項目

10項目のうち、比較の場で軽視されがちなポイントを補足します。

賃貸借契約の種類(項目3)。ここが最重要といっても過言ではありません。定期借家契約は期間満了で終了し、再契約に応じてもらえなければ退去することになります。「ずっと住めます」という口頭説明ではなく、契約書に「定期建物賃貸借契約書」と書かれていないかを目で確かめてください。

修繕費の負担区分(項目7)。本来は所有者となる会社が負担すべきものですが、特約で借主負担としている契約も存在します。給湯器やエアコンの故障は数十万円の出費になるため、負担区分の記載は必ず読み込みましょう。

リノベーション対応(項目10)。意外と見落とされる観点です。住まいの老朽化が気になっている場合、売却と同時に改修まで対応できる会社なら、資金確保と住環境の改善を一度に実現できます。買取だけを行う会社と、設計・施工まで自社で持つ会社では、提案の幅がまったく違います。

仕組みの詳細はリノベーション付きリースバックの記事にまとめました。住まいの傷みが検討のきっかけになっている方は、あわせてご覧ください。

比較表の作り方

紙かパソコンで、縦に10項目・横に3社を並べた表を作ってください。空欄が残った項目は、その会社に電話して埋めていきます。答えを渋る会社があれば、それ自体が判断材料になるでしょう。

主要なリースバック会社の特徴

比較の出発点として、広く名前の挙がるサービスを紹介します。各社の商品設計には特色があるので、自分の希望に近いタイプを見つける参考にしてください。

ご確認のお願い

以下は各社の公開情報をもとにした概要です。売却価格・家賃・契約条件は物件や時期によって変わり、サービス内容も更新されます。実際の条件は必ず各社の公式サイトおよび担当者にご確認ください。

一建設「リースバックプラス+」

東証プライム上場の飯田グループホールディングス傘下の企業が手がけるサービスです。賃貸借契約を更新できる「標準プラン」と、期間を定めて利用する「定期プラン」の2タイプが用意されており、目的に応じて選べる設計になっています。標準プランでは買い戻し時の設定価格から経年による建物価値の減少分を差し引く仕組み、定期プランでは一定期間の賃料を抑える仕組みが案内されています。

あなぶきのリースバック(穴吹興産)

分譲マンション事業で実績を積んできたグループのサービスで、マンションの取り扱いに強みがあります。賃貸中に設備の不具合が生じた場合の修繕費が貸主負担とされている点や、契約更新時の追加費用に関する扱いが公表されており、条件が明示されている点は比較しやすい要素です。

スター・マイカ「マンションリースバック」

東証プライム上場企業をグループに持ち、中古マンションの買取と賃貸管理で長年の実績を重ねてきた会社です。首都圏・関東圏を中心に多数の物件を保有しており、賃料設定や賃貸期間の調整に柔軟性があると案内されています。

セゾンファンデックス

クレディセゾングループの金融系サービスです。高齢者世帯からの相談実績が豊富で、年金収入を中心とした家計への理解がある点が特徴として挙げられます。金融グループならではの資金調達力も、契約後の安定性を考えるうえでの材料になります。

ハウス・リースバック(ハウスドゥ)

フランチャイズ展開により全国に窓口を持つサービスです。地域を問わず相談しやすい体制が整っているほか、リフォームを組み合わせた商品も展開しています。対応可能な物件やプランは店舗によって異なる場合があるため、最寄りの窓口で確認するとよいでしょう。

ここで挙げた会社以外にも、地域に根ざした事業者が数多く存在します。大手だけで比較を終わらせず、地元の会社にも声をかけてみると、思わぬ好条件が出るケースも。

一括査定サービスは使うべき?

複数社への相談を効率化する手段として、リースバック専門の一括査定サービスがあります。便利な反面、注意点も知っておきたいところ。

一括査定のメリット

1回の入力で複数社の条件が集まるため、相見積もりの手間が大きく減ります。各社は他社と比較されることを前提に提案してくるので、単独で依頼するより好条件が出やすいという効果も期待できるでしょう。相場観をつかむ目的なら、有力な選択肢です。

一括査定のデメリット

登録直後から複数社の営業連絡が集中するため、対応が負担に感じられることがあります。提携している会社だけが表示される仕組みなので、地域の優良事業者が候補から漏れる可能性も。連絡手段を電話ではなくメールに指定できるか、事前に確認しておくと安心です。

一括査定で相場をつかんだうえで、気になる会社に個別相談する。この組み合わせが現実的な進め方だと考えています。

目的別のおすすめの選び方

何を優先したいかによって、重視すべき比較ポイントは変わります。目的別に整理しました。

長く住み続けたい方

最優先は賃貸借契約の種類です。普通借家契約を提示してくれる会社、または定期借家でも再契約が保証される特約を付けてくれる会社を選びましょう。家賃改定の条項に上限が設けられているかどうかも、長期居住では効いてきます。

できるだけ高く売りたい方

売却価格の提示額で比較することになりますが、高い価格には高い家賃が連動する点を忘れずに。「価格は高いが家賃も高い」提案と「価格は控えめだが家賃も安い」提案を、居住予定年数での総額に換算して比べてください。

将来買い戻したい方

買い戻し条件を書面で明示できる会社に絞り込みます。価格の算定方法、行使できる期限、手続きの流れが再売買予約契約書として整備されているかが判断基準です。口約束しかしない会社は、この時点で候補から外して構いません。

住まいの傷みも解決したい方

設計から施工まで自社で対応できる会社を探してください。買取専門の会社では住まいの改修まで踏み込めず、結局リフォーム費用を自己負担することになります。バリアフリー化や断熱改修まで含めて相談できる相手なら、老後の住環境ごと整えられるはずです。

ご家族に資産を残す観点も重視したい場合は、そもそもリースバックが目的に合うかを見直す必要があります。相続税への影響と落とし穴はリースバックは相続対策になるのかを解説した記事で扱っているので、会社選びの前に確認しておくと判断がぶれません。

相見積もりの取り方と交渉の進め方

比較の質は、見積もりの取り方で決まります。効果的な進め方を4ステップで整理しました。

STEP
タイプの違う3社を選ぶ

大手系・専門会社・地域密着型というように、性格の違う3社を候補にします。同じタイプばかりだと条件が似通ってしまい、比較する意味が薄れてしまうためです。

STEP
同じ条件で査定を依頼する

物件情報だけでなく、希望する居住年数や毎月払える家賃の上限も各社に同じ内容で伝えます。前提が揃っていない見積もりは横並びで比べられません。他社にも相談中である旨は、隠さず伝えて構いません。

STEP
10項目の比較表に落とし込む

先ほどの比較ポイント10項目に沿って、3社の条件を表にまとめます。口頭で聞いた内容は必ず書面での提示を求めてください。契約書のひな形を事前にもらえるかどうかも、誠実さを測る指標のひとつです。

STEP
条件を提示して交渉する

他社の条件を材料に、「毎月の家賃は12万円までに抑えたい」といった具体的な数字で交渉します。漠然と安くしてほしいと伝えるより、明確な希望を示したほうが現実的な提案を引き出せます。

なお、その場で契約を迫ってくる会社は候補から外してください。リースバックにクーリングオフは適用されず、署名後に撤回する手段がありません。トラブル事例と回避策はリースバックで後悔する人の特徴を解説した記事にまとめています。

リースバック会社選びのよくある質問

リースバック会社は何社くらい比較すればいいですか?

最低でも3社が目安です。リースバックは取引事例が公開されておらず相場をつかみにくいため、複数社の提示を並べて初めて条件の妥当性が見えてきます。タイプの異なる会社を選ぶと、条件の幅がより明確になります。

大手と中小、どちらを選ぶべきですか?

会社の規模ではなく提示された条件で判断してください。大手は財務基盤の安定性という強みがある一方、審査基準が画一的で対応できない物件もあります。中小の専門会社が柔軟な条件を出すケースも珍しくありません。

売却価格が一番高い会社を選べばいいですか?

そうとは限りません。売却価格が高いほど家賃も高くなる仕組みのため、月々の負担が重くなります。居住予定年数を決めて、売却代金と家賃総額の差し引きで比較しましょう。長く住むほど家賃の影響が大きくなります。

複数社に依頼していることを伝えても大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ伝えたほうが、各社とも条件面で努力してくれる傾向があります。隠す必要はなく、比較検討中であることを率直に共有したうえで、希望条件を具体的に示すのが効果的です。

築古の戸建てでも対応してくれる会社はありますか?

あります。大手では対象外となる物件でも、再生ノウハウを持つ会社なら買取可能なケースも珍しくありません。リノベーションを前提に評価する会社であれば、築年数だけで断られることは少なくなります。まずは現地を見てもらいましょう。

まとめ|「どこが良いか」より「何で比べるか」

この記事のまとめ
  • 同じ家でも会社によって売却価格と家賃は大きく変わるため、3社以上の比較が必須
  • 会社は大手系・専門会社・金融系・地域密着型の4タイプに分かれ、得意分野が異なる
  • 比較すべきは10項目。なかでも賃貸借契約の種類・修繕費の負担区分・リノベ対応は見落としやすい
  • 売却価格の高さだけで選ばず、居住予定年数での総額で判断する
  • その場で契約を迫る会社は候補から外す。クーリングオフは適用されない

リースバック会社選びで大切なのは、ランキングの順位ではなく自分に合った条件かどうかです。10項目の物差しを持って3社を比べれば、どこが自分の希望に近いかは自然と見えてきます。焦らず、書面で確かめながら進めてください。

空き家のみらいLABを運営するCLOUD HOMeは、不動産の買取から設計・施工・アフターメンテナンスまでを自社で手がけています。築年数が経った物件や条件が難しい物件のご相談も歓迎しており、他の方法が適していると判断した場合はその理由もお伝えします。比較検討の1社として、お気軽にお声がけください。


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