東京のリースバック相場は?23区エリア別の目安と「売れるのに住めない」を防ぐ方法

東京でリースバックを考えている方が最初に気になるのは、「うちのエリアだといくらで売れて、家賃はいくらになるのか」ではないでしょうか。全国向けの解説記事は多いのですが、東京の事情に踏み込んだものはほとんど見当たりません。

先にお伝えすると、東京のリースバックは買取価格が高めに出やすい一方で、家賃も絶対額で高くなる構造です。売却価格を見て「良い条件だ」と契約したあと、家賃が払い続けられなくなる。この「売れるのに住めない」問題が、東京では他県より起きやすくなっています。

この記事では、東京でリースバックする3つの特徴、23区をエリア群別に分けた相場感、家賃が賃貸相場を超える問題の対策、東京に多い訳あり物件の扱い、大手と地元業者の使い分け、業者選びの5つの確認ポイントをまとめました。監修は、足立区と南青山を拠点に訳あり不動産を中心とした相談を1,500件以上解決してきた宅地建物取引士の桐生辰宏です。

世田谷の戸建てで、査定は3,500万円と言われました。悪くない気がするんですが、これで決めていいですか?

家賃はいくらと言われましたか?東京は売却価格だけ見ると良さそうでも、家賃を10年払ったら売却代金と同じ、というケースが本当に多いんです。

目次

東京でリースバックする3つの特徴|他県との違い

リースバックの仕組みは全国共通ですが、東京では「土地値が高い」「業者が多い」「訳あり物件が多い」という3つの事情が条件に影響します。

特徴①買取価格は上限寄り、家賃は絶対額で高い

リースバックの買取価格は市場価格の6〜8割が相場ですが、東京23区は土地の流動性が高く、業者にとって転売リスクが小さいため、割合は上限寄りになりやすい傾向があります。ここまでは良い話です。

問題は家賃です。家賃は「売却価格×期待利回り(年6〜13%)÷12か月」で決まるため、売却価格が高いほど家賃も比例して上がります。4,000万円で売れば、利回り10%で月約33万円。周辺の賃貸相場が20万円なら、13万円も割高な家賃を払うことになります。

特徴②対応業者が多く比較しやすいが、大手は都心・マンション偏重

東京は大手から地元の不動産会社まで、リースバックに対応する業者の数が全国で最も多いエリアです。複数社の査定を並べやすいのは大きな利点。ただし大手の多くは、転売しやすい都心のマンションや駅近の物件を得意とし、築古戸建てや権利関係に難のある物件は敬遠しがちです。

特徴③戸建て・訳あり物件は業者が限られる

東京23区には、狭小地、旗竿地、再建築不可、借地権付き、木造密集地域の戸建てが数多くあります。戦後の区画のまま残っている住宅地が多いためで、下町エリアや城西の古い住宅街では珍しくありません。こうした物件は大手が査定を出さないことが多く、受けてくれる業者を探すところから始まります。

リースバックの基本的な仕組みは、以下のピラー記事で整理しています。

東京23区のリースバック相場感|エリア群別の目安

23区を土地値の水準で4つのエリア群に分け、買取割合の傾向と家賃の絶対額、注意点を並べました。数字は目安で、同じ区内でも駅距離や接道で変わります。

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エリア群主な区買取割合の傾向家賃の絶対額注意点
都心3区・準都心千代田・中央・港・渋谷・新宿・文京7.5〜8割非常に高い(月30万円超も)売却価格は良いが家賃負担が成立しにくい。短期利用向き
城南・城西目黒・世田谷・杉並・品川・大田・中野7〜8割高い戸建てが多く、狭小地・旗竿地は業者が絞られる
城北・城東足立・葛飾・江戸川・北・板橋・荒川・墨田6.5〜7.5割中程度土地値と家賃のバランスが取りやすい。木密地域・再建築不可が多い
周辺区・多摩寄り練馬・江東(湾岸除く)・多摩地域6.5〜7.5割中〜やや低いマンションは安定。駅遠の戸建ては流動性で差が出る

東京の売却価格は「高いが家賃も高い」

市場価格3,000万円の家と6,000万円の家を、それぞれ7割で売却し利回り10%で家賃を計算すると、こうなります。

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項目市場価格3,000万円(城東の戸建て想定)市場価格6,000万円(城南の戸建て想定)
売却価格(7割)2,100万円4,200万円
月々の家賃(利回り10%)17.5万円35万円
10年間の家賃総額2,100万円4,200万円
周辺の賃貸相場(目安)13〜15万円20〜25万円
賃貸相場との差月2.5〜4.5万円月10〜15万円

売却代金は2倍でも、賃貸相場との差は3倍以上に広がります。土地値が高いエリアほど「リースバックの家賃」と「普通に借りる家賃」の差が大きくなる。これが東京のリースバックで最も注意すべき構造です。売却価格の決まり方は以下の記事で詳しく解説しています。

東京で「売れるのに住めない」が起きる理由と対策

前の章の6,000万円の例を見てください。4,200万円が手に入っても、月35万円の家賃を年金で払える方はほとんどいません。売却代金を取り崩して家賃に充てれば、10年で全額が消えます。これが「売れるのに住めない」状態です。

理由|家賃は賃貸相場ではなく売却価格から逆算される

通常の賃貸なら、家賃は「その地域でその広さの家を借りたらいくらか」で決まります。リースバックでは違います。業者が払った買取価格に対して、何%の利回りを確保するかで家賃が決まる。だから土地値が高い東京では、家賃が賃貸相場から大きく乖離するわけです。

対策①売却価格をあえて下げて家賃を抑える

長く住むつもりなら、業者に「売却価格を下げてもいいので家賃を抑えてほしい」と伝えるのが有効です。6,000万円の家を6割の3,600万円で売れば、利回り10%で家賃は月30万円。まだ高いですが、5万円下がります。利回り自体を8%に交渉できれば月24万円。売却価格と利回りの両方を動かして、賃貸相場に近づける交渉です。

対策②契約期間を長めにして利回りを下げる

業者にとって、長期契約は家賃収入が安定する材料です。「5年の定期借家、または普通借家で契約するので利回りを下げてほしい」という交渉は、都心の物件ほど通りやすい傾向があります。家賃の計算方法と交渉術は、以下の記事にまとめました。

対策③「住む年数×家賃」が売却代金を超えないか試算する

契約前に必ず、住みたい年数に月の家賃を掛けてください。その金額が売却代金を上回るなら、リースバックではなく通常の売却と住み替え、あるいはリバースモーゲージの方が合っている可能性があります。東京では売却代金が大きい分、この試算を飛ばしたときの損失も大きくなります。

東京に多い訳あり物件はリースバックできる?

23区の古い住宅街には、一般の業者が査定を出したがらない家が多くあります。断られた経験がある方も、理由を知れば次の相談先が見えてきます。

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物件の種類東京で多いエリア大手が断る理由成立する条件
狭小地・旗竿地城南・城西の戸建て住宅街転売時の買い手が限られ、重機が入らず解体費が割増建物を活かす転売想定なら査定が付く
再建築不可下町・木密地域、私道に面した区画建て替えできず更地にしても売れないリフォーム前提で貸す・売る業者なら対応可
借地権付き都心・準都心の古い住宅地、寺社の周辺地主の承諾が必要で手続きが読めない先に地主へ相談し承諾の見込みを立てる
木造密集地域の戸建て城北・城東の一部、中野・杉並の一部接道・防災上の制約と旧耐震が重なりやすい耐震診断の記録があれば交渉材料になる

大手が断る理由は「転売の想定が立たない」から

リースバック業者は、退去後に転売して利益を確定させる前提で家を買います。大手の転売ルートは「更地にして建売業者に売る」「リフォームして中古市場に出す」のどちらかが基本で、再建築不可や狭小地はどちらにも乗りにくい。だから断られるのであって、家に価値がないわけではありません。

逆に、訳あり物件を専門に再生している業者は、こうした家を「住みながら直して、そのまま貸す・売る」前提で見るため、査定の出発点が違います。再建築不可の基礎知識と活用法は以下の記事で解説しています。

戸建て全般で査定が付く条件と、断られたときの対処法はこちらにまとめました。

大手業者と地元業者の違い|東京では「両方に査定」が正解

「大手と地元、どちらがいいか」という質問をよく受けますが、東京では両方に査定を出すのが答えです。得意分野が違うので、並べて初めて自分の家に合う方が分かります。

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項目大手業者地元業者
資金力・倒産リスク上場企業グループが多く安定会社による。免許番号と営業年数で確認
契約形態普通借家対応の会社が増えている会社による。柔軟に相談できることが多い
得意な物件都心・駅近のマンション、築浅戸建てエリア内の戸建て、訳あり物件、築古
査定のスピード本社審査を挟み1〜2週間現地を知っているため数日で出ることも
転売ルート全国共通の枠組み地域の買い手・自社再生など独自ルート
担当者の裁量社内基準の範囲内条件交渉に幅がある

地元業者を選ぶメリット3つ

  • 現地を知っているので判断が速い。「この道路幅なら」「この区画なら」を机上ではなく実地で判断でき、大手が本社審査で落とす家にも査定が出る
  • 訳あり物件の転売ルートを持っている。再建築不可や借地権を再生して貸す・売る経験がある業者は、更地想定より高い評価を出せる
  • 条件交渉に幅がある。売却価格・家賃・契約期間・修繕負担を一体で調整でき、「家賃を抑えたいので価格を下げる」といった提案が通りやすい

大手を選ぶメリット2つ

資金力による安心感と、普通借家契約への対応です。都心の分譲マンションで、長く住みたい、業者の倒産リスクを避けたいという方は、大手の条件が合うことが多いでしょう。大手2社と地元1〜2社、合計3〜4社の査定を並べるのが、東京での現実的な進め方です。業者を比較する10のポイントは以下の記事にまとめています。

東京でリースバック業者を選ぶ5つの確認ポイント

大手でも地元でも、契約前に確認することは同じです。東京は業者が多い分、この5点で絞り込まないと比較が終わりません。

東京でリースバック業者を絞り込む5つの確認
  • 宅建業免許と営業年数。「東京都知事(○)第○号」または「国土交通大臣(○)第○号」の( )内が更新回数。数字が大きいほど営業歴が長い
  • 対応エリアと得意物件。23区全域か、特定エリアか。マンション中心か戸建ても扱うか。自分の家のタイプで実績があるか
  • 契約の種類と再契約条件。普通借家か定期借家か。定期借家なら再契約条項を書面に入れられるか
  • 買戻し価格の算式と修繕負担の区分。「売却価格の○%」と即答できるか。設備ごとの負担区分表があるか
  • 訳あり物件の実績。再建築不可・借地権・狭小地を実際に扱った事例があるか。「対応可能」と「実績がある」は別

契約の種類や修繕負担で確認すべき条項の詳細は、以下の記事を参照してください。

CLOUD HOMeの東京でのリースバック対応|足立区・南青山を拠点に

ここまで読んで「うちは大手に断られそうだ」と感じた方に向けて、当社の立ち位置をお伝えしておきます。

拠点と対応エリア

株式会社CLOUD HOMeは、足立区と港区南青山に拠点を置き、東京23区を中心に訳あり不動産の買取・再生を行っています。城北・城東の木造住宅街から城南の狭小戸建てまで、現地を実際に見て判断できる範囲を対応エリアとしています。

訳あり物件×リノベーション前提のリースバック

当社のリースバックは、売却と同時にリノベーションを行い、再生後の価値を前提に条件を組む形が基本です。再建築不可や借地権付きの戸建てでも、「壊して売る」ではなく「直して活かす」想定で査定するため、大手が断った家にも条件を出せることがあります。修繕負担が最初から整理されるので、築古戸建てで心配な屋根や外壁の費用問題も同時に解消できます。

通常買取との比較もできる

「住み続けたい」が前提でない方には、リースバックより通常の買取の方が手残りが多いこともあります。当社は買取も行っているため、リースバックと買取の両方の条件を並べてご提案できます。東京での買取業者の選び方と相場感は、以下の記事をどうぞ。

東京は業者が多いからこそ、「うちしか無理」と言われたら疑ってください。同じ家でも、転売の想定が違えば条件はまったく変わります。

東京のリースバックに関するよくある質問

23区外の多摩地域でもリースバックできますか?

できます。ただし駅からの距離で流動性の差が大きく、駅徒歩15分を超える戸建ては買取割合が下がりやすい傾向があります。多摩地域は23区より家賃の絶対額が抑えられるため、長く住みたい方にはむしろ条件が合いやすいエリアです。

都心のマンションなら高く売れますか?

買取割合は市場価格の7.5〜8割と上限寄りになりやすく、金額としては高く売れます。ただし家賃も比例して高くなり、月30万円を超えることも珍しくありません。売却代金だけでなく「住む年数×家賃」を計算し、賃貸相場との差を確認してから判断してください。

狭小地や旗竿地の戸建てでも査定は付きますか?

大手は断ることが多いものの、建物を活かして転売する想定の業者なら査定が付きます。解体して更地にする前提だと重機が入らず費用がかさみ、土地としても売りにくいため評価が下がりますが、リフォームして貸す・売る前提なら評価の出発点が変わります。訳あり物件の実績がある業者に相談してください。

リースバックの家賃は東京の賃貸相場と比べて高いですか?

多くの場合、高くなります。リースバックの家賃は賃貸相場ではなく売却価格から利回りで逆算されるため、土地値の高い東京では賃貸相場との差が開きやすいのが実情です。差を縮めるには、売却価格を下げる、契約期間を長くして利回りを下げる、といった交渉が有効です。

東京のリースバック業者はどうやって探せばいいですか?

大手2社と地元業者1〜2社、合計3〜4社に査定を依頼するのが現実的な進め方でしょう。大手は比較サイトや検索で見つかりますが、地元業者は「区名+買取」「区名+リースバック」で検索するか、自治体の宅建協会の会員名簿から探せます。いずれも宅建業免許番号と、自分の家のタイプでの実績を確認してから相談してください。

まとめ|東京のリースバックは「家賃の絶対額」と「業者の得意分野」で決まる

東京のリースバックは買取価格が上限寄りに出やすい一方、家賃も絶対額で高くなり、賃貸相場との差が開きやすい構造です。売却代金の大きさに目を奪われず、「住む年数×家賃」を先に計算してください。業者は大手と地元の両方に査定を出し、戸建てや訳あり物件なら転売の想定が違う業者を探す。これが東京で後悔しないための進め方です。

この記事のまとめ
  • 東京23区の買取割合は6.5〜8割と上限寄り。ただし家賃は売却価格から逆算され、賃貸相場を大きく上回ることがある
  • 都心ほど「売れるのに住めない」が起きやすい。売却価格を下げる・契約期間を延ばす交渉で家賃を抑える
  • 狭小地・旗竿地・再建築不可・借地権は大手が断りやすいが、建物を活かす業者なら査定が付く
  • 大手2社+地元1〜2社に査定を出して並べる。免許番号・得意物件・契約種別・買戻し算式・修繕区分で絞る
  • 訳あり物件はリノベーション前提のリースバックで、買取価格・修繕負担・転売リスクを同時に解消できる

株式会社CLOUD HOMeは足立区・南青山を拠点に、東京23区の訳あり不動産を1,500件以上扱ってきた宅地建物取引士が、リースバックと通常買取の両方の条件を並べてご提案しています。他社の査定額をお持ちのうえでのご相談も歓迎です。



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