「再建築不可物件を相続したけれど、いくらで売れるんだろう?」「不動産会社に査定を頼む前に、だいたいの相場を知っておきたい」。そんなふうに、売却を考え始めた方に向けた記事です。
再建築不可物件の買取相場は、通常の物件より安くなるのが一般的です。ただ「安い」とひとくちに言っても、いくらが適正なのかが分からないと、業者の提示価格が妥当かどうか判断できませんよね。安く買い叩かれて損をしないためにも、相場の考え方は知っておいて損はありません。
この記事では、再建築不可物件の買取相場の目安から、路線価比較法・収益還元法を使った自分で概算する手順、そして高く売る3つのコツまでをまとめて解説します。読み終わるころには、あなたの物件のおおよその価値と、損せず売るための道筋が見えているはずです。

査定を頼んだら思ったより安くて…これって普通なんでしょうか?



再建築不可物件は安くなりやすいんです。でも「相場の考え方」を知っておけば、その金額が妥当か自分で判断できますよ。順番に見ていきましょう。
再建築不可物件の買取相場はどれくらい?
まずは「だいたいいくらなのか」という、いちばん気になるところから押さえましょう。相場の目安と、なぜ安くなるのかをセットで理解しておくと、査定額を見たときの納得感がまるで違います。
買取相場の目安は通常物件の5〜7割
再建築不可物件の買取相場は、同じエリアの一般的な物件の5〜7割程度が目安といわれています。たとえば近隣の再建築可能な物件が2,000万円で取引されているなら、再建築不可なら1,000万〜1,400万円前後が一つの目安です。
ただし、これはあくまで「ざっくりした目安」。物件の立地や状態によっては、もっと高く売れることも、逆に値がつきにくいこともあります。あなたの物件がどのあたりに位置するかは、このあと紹介する算定方法で絞り込んでいきましょう。
なぜ相場が安くなるのか
相場が下がる理由はシンプルで、買い手にとってのハードルが高いからです。主な要因は次のとおり。
- 建て替え・大規模リフォームができず、活用方法が限られる
- 住宅ローンの審査が通りにくく、買える人が限られる
- 災害で倒壊しても再建築できないリスクがある
こうした事情で買い手が限られるぶん、価格に下押し圧力がかかるわけです。裏を返せば、これらのハードルを下げられる物件ほど、相場は上に振れやすくなります。
「一概に言えない」物件タイプ別の差
同じ再建築不可でも、再建築可能にできる余地があるかどうかで相場は大きく変わります。たとえば隣地を借りたりセットバックしたりして接道義務を満たせる物件は、比較的高めの評価がつきます。
一方、周囲を他人の土地に囲まれた袋地で、再建築の見込みがまったく立たない物件は、専門業者でも買取が難しくなることがあります。「5〜7割」という数字を鵜呑みにせず、自分の物件タイプを見極めることが大切なんですね。
買取相場の算定方法|2つのロジックで概算する
「5〜7割」という目安だけでは、自分の物件がいくらになるのか具体的に見えてきません。そこで役立つのが、相場をざっくり計算する2つの方法です。土地から考える路線価比較法と、賃貸収益から考える収益還元法。この2軸で見ると、あなたの物件の価値がぐっと立体的になりますよ。
路線価比較法|土地ベースで概算する
まず基本になるのが、土地の価値から相場を出す方法です。固定資産税の納税通知書に載っている評価額を使えば、自分でもおおよその実勢価格が計算できます。手順はこうです。
固定資産税評価額をもとに、再建築可能な普通の物件だった場合の相場を計算します。「固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1」でおおよその実勢価格が求められます。
STEP1で出した金額に、5〜7割(0.5〜0.7)を掛けます。これが再建築不可物件としての、おおよその相場感です。
土地の固定資産税評価額1,400万円、建物350万円の場合
通常物件の相場 =(1,400万+350万)÷ 0.7 × 1.1 ≒ 2,750万円
再建築不可の相場 = 2,750万円 × 0.7 ≒ 約1,925万円
あくまで机上の概算なので、実際の査定額とはズレます。それでも「だいたいこのくらい」という基準を持っておくと、業者の提示価格が高いのか安いのかを判断しやすくなります。
収益還元法|賃貸に出した場合の収益から逆算する
もう一つが、投資用としての価値から相場を出す方法です。再建築不可物件はリノベーションして賃貸に出すと利回りが高くなりやすいため、賃貸需要のあるエリアではこちらの見方が効いてきます。
計算の考え方はシンプルで、「年間の家賃収入 ÷ 期待利回り」で物件価格を逆算します。たとえば年間家賃が120万円、期待利回りを12%とすると、120万 ÷ 0.12 = 1,000万円が一つの目安。立地が良く賃貸需要が見込めるなら、土地ベースの計算より高い評価が出ることもあるんです。



2つの方法で計算して、高いほうを基準に交渉するのも一つの手。賃貸需要があるエリアなら、収益還元法の数字が武器になりますよ。
自分でできる相場の概算ステップ
2つの方法をふまえて、自分で相場をつかむ流れを整理しておきます。査定を依頼する前にここまでやっておくと、業者との会話が一気にスムーズになります。
- 固定資産税の納税通知書で評価額を確認する
- 路線価比較法で土地ベースの相場を計算する
- 賃貸需要があるなら収益還元法でも計算する
- 2つを比べて相場のレンジを把握する
あとはこのレンジを手元に、専門業者の査定を受けるだけ。自分なりの基準があるかどうかで、納得して売れるかが決まります。
買取価格を左右する5つの要因
同じ再建築不可物件でも、査定額には大きな幅が出ます。何がプラスに働き、何がマイナスになるのか。価格を左右する5つの要因を知っておくと、自分の物件の強み・弱みが見えてきますよ。
①立地・賃貸需要
もっとも影響が大きいのが立地です。都心や駅近、大学の周辺など賃貸需要が見込めるエリアなら、建て替えできなくても「貸せる物件」として評価されます。立地が良いほど、相場の上限に近い価格がつきやすいんです。
②間口・接道の状況
接道の状況は、再建築可能化の余地に直結します。あと少し間口を広げれば接道義務を満たせる物件や、セットバックで再建築可能になる物件は、将来性を見込んで高めに評価されます。逆に、完全な袋地で打つ手がない物件は厳しくなりがちです。
③建物の状態・築年数
建物がまだしっかりしていて、そのまま住める・貸せる状態なら、買い手の修繕負担が減るぶん価格は上がります。逆に老朽化が激しく大規模なリノベーションが必要だと、その費用を見込んで査定額は下がります。
④私道・境界などの権利関係
前面の私道の通行・掘削の同意が取れているか、隣地との境界が確定しているか。こうした権利関係がクリアな物件はトラブルリスクが低く、評価が安定します。あいまいなまま放置していると、その不安要素ぶん値引きされてしまうことも。
境界の確認書類や、私道の同意に関する書類を事前にそろえておくと、査定がスムーズになり、価格交渉でも有利に働きます。「書類が整っている=手間がかからない物件」として評価されやすいんです。
⑤依頼する業者の専門性
意外と見落とされがちですが、どの業者に査定を頼むかでも金額は変わります。再建築不可物件の活用ノウハウを持つ専門業者は、再建築可能化やリノベ再販といった出口を描けるため、一般の不動産会社より高い価格を出せることがあるんですね。同じ物件でも、相談先しだいで数百万円変わるケースもあります。
再建築不可物件を高く売る3つのコツ
相場の考え方が分かったら、次は「どうすれば1円でも高く売れるか」です。やみくもに売り出す前に、この3つを押さえるだけで結果が変わってきます。順番に見ていきましょう。
①専門の買取業者に査定を依頼する
1つめは、再建築不可物件を専門に扱う買取業者を選ぶこと。一般の不動産会社は「売れにくい物件」として安く見積もりがちですが、専門業者は活用ノウハウがあるぶん、適正な、あるいは相場より高い価格を出せることがあります。
買取なら仲介と違って買い手を探す必要がなく、業者が直接買い取ってくれるので、現金化までが早いのも利点です。「とにかく早く・確実に手放したい」という方には心強い選択肢ですよ。
②リノベーション後に売る選択肢を検討する
2つめは、そのまま売るのではなく、リノベーションで価値を高めてから売るという発想です。古い建物のまま売ると安く見られがちですが、きれいに改修して「すぐ住める・貸せる状態」にすれば、買い手の幅が広がり価格も上がります。
もちろんリノベ費用との兼ね合いはあるので、かけた費用以上に高く売れるかの見極めが大切です。実際にどんなリノベーションでどれくらい価値が変わるのかは、リノベーション事例の記事で具体的に紹介しています。「手をかけて売る」を検討するなら、ぜひ参考にしてみてください。
③複数社の査定を比較し適正価格を見極める
3つめは、1社だけで決めないこと。再建築不可物件は業者によって査定額の差が大きいため、複数社に依頼して比べるのが鉄則です。最初に紹介した自分の概算相場と照らし合わせれば、どの提示額が妥当かも見えてきます。



1社目の金額で即決しないこと。複数の査定と自分の概算を並べれば、「適正価格」のラインがはっきりしますよ。
買取と仲介、どちらで売るべき?
再建築不可物件を売る方法には、業者に直接買い取ってもらう「買取」と、買い手を探してもらう「仲介」の2つがあります。どちらが正解というわけではなく、何を優先するかで選び方が変わります。違いを整理しておきましょう。
| 比較項目 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 売却スピード | 早い(最短数日〜数週間) | 買い手しだいで数ヶ月〜 |
| 売却価格 | 相場よりやや低め | 高値を狙える可能性あり |
| 買い手探し | 不要(業者が買う) | 必要 |
| 向いている人 | 早く確実に手放したい | 時間をかけても高く売りたい |
早く確実に売るなら買取
買取の強みは、なんといってもスピードと確実性です。業者が直接買い取るので、買い手がつかずに売れ残る心配がありません。相続した物件の管理に困っている、固定資産税の負担を早く手放したい、といったケースでは買取が向いています。
時間をかけても高値を狙うなら仲介
急いでいないなら、仲介で買い手を探すという手もあります。再建築不可物件に魅力を感じる投資家や、隣地所有者が見つかれば、買取より高く売れる可能性があります。ただし、いつ売れるか読めないのが難点。売れるまで管理費や税金がかかり続ける点は覚えておきましょう。
どちらが自分に合うか迷ったら、まずは買取査定を受けて「すぐ売るならいくらか」を知り、その金額を基準に仲介と比べてみるのがおすすめです。
再建築不可物件の買取相場に関するよくある質問
最後に、売却を検討する方からよく寄せられる質問にまとめて答えておきます。
- 再建築不可物件の買取相場はどれくらいですか?
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同じエリアの一般的な物件の5〜7割程度が目安です。たとえば近隣の再建築可能な物件が2,000万円なら、再建築不可は1,000万〜1,400万円前後が一つの目安になります。ただし立地や建物の状態、再建築可能化の余地によって大きく変わるため、あくまで概算と考えてください。
- 自分で買取相場を計算する方法はありますか?
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あります。土地ベースで出す路線価比較法では、「固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1」で通常物件の相場を求め、それに5〜7割を掛けて概算します。賃貸需要があるエリアなら、年間家賃収入を期待利回りで割る収益還元法も有効です。2つを比べて相場のレンジをつかむのがおすすめです。
- 再建築不可物件を少しでも高く売るにはどうすればいいですか?
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専門の買取業者に査定を依頼する、リノベーションで価値を高めてから売る、複数社の査定を比較して適正価格を見極める、の3つが基本です。とくに業者によって査定額の差が大きいため、1社だけで決めず比較することが大切です。
- 買取と仲介はどちらで売るべきですか?
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早く確実に手放したいなら買取、時間をかけても高値を狙いたいなら仲介が向いています。買取は業者が直接買い取るためスピードと確実性が高く、仲介は買い手しだいで高く売れる可能性がある反面、売れるまで時間がかかります。まず買取査定を受けて基準額を知り、仲介と比べるのがおすすめです。
- 袋地などの再建築不可物件でも売れますか?
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周囲を他人の土地に囲まれた袋地は買い手が限られ、相場も低くなりますが、隣地を借りて接道を確保できる場合などは売却できることがあります。一般の不動産会社では断られても、再建築不可物件専門の買取業者なら対応できるケースがあるため、まず専門業者に相談してみてください。
まとめ|買取相場を理解して損せず売却しよう
再建築不可物件の買取相場は通常物件の5〜7割が目安ですが、立地や建物の状態、再建築可能化の余地によって価格は大きく変わります。大事なのは、目安を鵜呑みにせず、自分で概算してから査定に臨むことでした。
- 買取相場の目安は通常物件の5〜7割
- 路線価比較法と収益還元法で自分で概算できる
- 立地・接道・建物状態・権利関係・業者の専門性で価格が変わる
- 高く売るコツは専門業者・リノベ後売却・複数社比較の3つ
- 早く売るなら買取、高値を狙うなら仲介
「自分の物件がいくらで売れるか正確に知りたい」「リノベーションして売るべきか相談したい」という方は、再建築不可物件の取り扱いに慣れた専門家への相談が近道です。査定からリノベーション、売却までワンストップでサポートできる体制を活かして、あなたが損せず売却できるようお手伝いします。






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